人を殺す、という仕事
主人公の橘が10才だった夏のある日、彼の許に切手の貼られていない手紙が届く。その手紙の中で、≪C≫と名乗る人物は、明日の大阪行きを中止するように指示する。
「そうしないと、死ぬことになる」と・・・。
少年だった彼は半信半疑だったが、その指示に従う。すると、彼と母親が乗るはずだった大阪行きの旅客機が墜落し、大勢の人が犠牲になる。
そう。主人公は、その手紙の主に命を救われたのだ。
その後も、人生の節目・節目に、主人公の許に切手のない手紙が届き、彼が進むべき道を指示する。
いったい、誰が、何のために?
主人公はいぶかりながらも、その指示に従う。その手紙の指示に従っていれば、彼はあらゆる災難から逃れ、安全で順調な人生を送って行くことができたから。
だが、最初の手紙から20年近くが過ぎ、妻とふたりの娘と幸せに暮らしていた彼の許に届けられた手紙には、恐るべき命令が記されていた。
それは、「人を殺せ」という、驚くべき命令だった。
今回は幼いふたりの娘と暮らす殺し屋の男が主人公です。
手紙の主≪C≫とは何者なのか? なぜ主人公に殺人を命じ続けるのか?
迷い、ためらいながらも殺人を続ける主人公の心理に重点を置いて書きました。ラストシーンは壮絶です。
「死人を恋う」「水底から君を呼ぶ」に続く、光文社からの書き下ろし第3弾です。
かなり長いものになってしまいましたが、ぜひ、読んで、ご感想をお聞かせ下さい。

