Works 作品紹介

履き忘れたもう片方の靴

河出書房新社
1994年1月発売
定価(税別):1,165円

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履き忘れたもう片方の靴

文藝賞佳作のデヴュー作です。美しい19歳の男娼・ヒカルを主人公とした作品で、本の帯には、「ペニスを残したまま豊胸し、<シーメール>となった少年たち。性の孤独と調教される肉体の果てを描き、全選考委員を凍りつかせた衝撃の書!」とあります。

発表当時はもっぱら男同士の性描写が話題になり、「ところで大石さん自身はホモセクシャルなんですか?」なんていう質問もよくされました。

デヴュー作となったこの小説で、僕は「意志を持たない意志」を描きたいと考えていました。「喧騒の中の静けさ」もテーマのひとつでした。
 関係ない。何も、何も、関係ない。

ただ僕の心の中にはいつも、どこかで履き忘れて来た、もう片方の靴があるだけだ。

このラストは非常に気に入っています。「履き忘れたもう片方の靴」というこの本には、その後の僕の思想のすべてが詰まっているように感じます。妻や義姉は今でも、いちばん好きな本だと言っています。表紙は佐々木悟郎さんです。

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