60:猫らしくなる
妹の家に引っ越して来て3ヶ月。「お菊」は僕たち夫婦以上にこの一戸建ての家に適応した。
平塚のマンションにいた頃の「お菊」は一日の大半を眠って過ごしていた。怖がって、ベランダに出ることもしなかった。
動かないから食欲が湧くはずもなく、餌はほんの少ししか食べなかった。
けれど・・・ここに来てからの「お菊」は、人が(猫が?)変わったかのようにアクティブである。
diaryにも書いたように、僕はしばしば外に煙草を吸いに出るのだが、そのたびに「お菊」のやつは、どこからともなく姿を現し、僕の後を犬のようについて来る。特にお気に入りは、日当りのいい二階の第二玄関で、僕がここから外に出るたびに、「お菊」のやつも戸外に出て来る。そして、アスファルトの道路に寝転んだり、鳥を狙って身構えたり、アスファルトの隙間から生えた草を食べたり、這っているアリンコを追いかけたりしている。
以前の「お菊」は誰かが家にやって来ると、どこかに隠れてしまい、その人が帰るまでは決して姿を現さなかった。けれど、今は客たちが来ると必ず挨拶に来る。そして、信じられないことに、その人に抱かれたりする。「お菊」は特に若い女の人が好きなようで、近所の若い奥さんが回覧板などを届けに来たりすると、一目散に走って来る。
かつての「お菊」はソファの下などの低いところが好きだった。だが、今は猫らしく、高いところが大好きになった。階段の上はいちばんのお気に入りである。先日は、ベランダの手すりに飛び乗って、妻と僕を驚かせた(転落しても下は芝生だから大丈夫だろうけど、自分では窓やドアを開けられないから、僕たちが不在だと家に入れません)。
アクティブになっただけではなく、最近の「お菊」はよく喋るようになった。かつてはコーミングの時のほかはめったに声を出さなかったのに、最近の「お菊」はよく声を出す。それは鳴いているというより、喋っているような感じで、少し不気味でもある。
動くから、お腹も減るらしく、最近の「お菊」は、犬のように餌を一気食いする。ドライフードを一粒も残すことなく、あっという間に食べてしまうのだ。
先日は、夜中に僕が玄関前で煙草を吸っていたら、「お菊」がいつの間にか外に出て、隣の家の庭に行ってしまい、いくら呼んでも戻って来ないということがあった。しかたなく、僕は隣の庭にお邪魔して、真っ暗な中で何とか「お菊」を捕まえたのだが・・・・あの「お菊」が、これほど動くようになるとは、本当に驚きである。
うまくいけば近い将来、リードと首輪をつけて、犬のように散歩できる日が来るかもしれない。妻と僕とは今、ひそかに「猫との散歩計画」を立てているのです。にゃーお。








