59:お菊の部屋
前にも書いたように、この家は1階がリビングダイニングキッチン、2階が寝室ともう一部屋という構造になっている。
この2階の「もうひとつの部屋」は、ロフトと天窓を備えた明るい部屋で、当初は僕の書斎になる予定だった。書斎としてくつろいで執筆ができるように、古くて可愛い木製の丸テーブルも置いたし、大塚家具で買った高価なソファも置いた。テレビと冷蔵庫(飲み物専用)まで置いた。そして、そこはとても居心地の良さそうな部屋になった。
待望の書斎である。最初の数日は嬉しかった。
けれど・・・・その部屋にひとりこもって書いていると、とても孤独な気分に陥る(僕の小説の主人公たちとは違い、僕は寂しがりである)。寂しくて、寂しくて、たまらないのだ。
それで、いつしか僕は、リビングダイニングキッチンの片隅に机を置き、食事の支度をしている妻と話をしながら仕事をするようになった(妻は一日の大半を料理に費やしている)。
そんなわけで、2階の「もうひとつの部屋」はまったく使われない部屋と化した。妻が掃除のために出入りするだけで、僕はまったく立ち入らなくなった。
静かで、清潔で、居心地のいい部屋・・・・そんな部屋を「お菊」のやつが見逃すはずがない。
そう。かつて妹の娘の部屋だった「もうひとつの部屋」は、いつしか「お菊」の部屋になってしまったのだ。
まるで思春期の少女のように、1日の大半を「お菊」のやつは、その部屋に引きこもって生活している。そして、ソファの上で眠ったり、丸テーブルの上で毛づくろいをしたり、出窓から小学校の校庭を見下ろしたり、アルミホイルを丸めたボールで「ひとりサッカー」を楽しんでいる(ヒカルとは違い、ロフトへと通じる「はしご」は上れないようです)。
それにしても、猫の部屋とは・・・・。
人間の僕でさえ、初めて自分の部屋を与えられたのは中学生になってからだったというのに、猫の分際で生意気すぎる!!
とは思うものの、どうすることもできない。そんなわけで、今も「お菊」は「自分の部屋」にいる。そこで「ぬくぬく」と羽を伸ばしている。
「お菊」のやつ、いい気になりやがって。今に痛い目に遭わせてやる!!
追伸:今回は妹の娘が撮影したヒカルの写真です。この伸び伸びとした様子、見てください。幸せそうでしょう? ただし、最近のヒカルはかなり太って、もう飛べなくなってしまったようです。次にみなさんに写真を公開する時には、黒ブタみたいになっているかもしれません。にゃーお。





