54:障子を破く
我が家には和室はない。だが、障子はある。30年ほど前、今は亡き僕の父が手作りした本棚に嵌まった障子である。
なぜ、本棚に障子が嵌まっているのかは、よく知らない。父は死んでしまったから、尋ねることもできない。かつて父の実家にあった100年近く前の古い古い障子だということだから、何となく捨てたくなかったのだろう。
まあ、本棚のことはどうでもいい。問題はそこに嵌められた障子である。
どういうわけだか、「お菊」のやつは、その障子を破くのが大好きなのだ。
特に何かを訴えたい時、「お菊」はしばしばその障子の前で直立する。そして、前足でシャカシャカと障子を引っ掻くのである。
たとえば、朝。「お菊」がいくら起こしても、妻も僕も起きない時・・・「お菊」はしばしば障子の前に直立する。そして、前足でシャカシャカを始める。障子が破ける音がする。
もちろん僕は猛烈に怒る。妻も怒る。
だが、「お菊」のやつは、どうしても障子に爪を立てるのをやめないのである。
しかたなく僕たちは障子を張り替える。だが、数日後にはまた、「お菊」のやつがビリビリにしてしまう。
「お菊」が破く。僕たちが張り替える。「お菊」が破く。僕たちが張り替える。永遠のイタチごっこである。
障子なんか破いて、何が楽しいのだろう?
妻と僕は首を傾げた。
だが・・・つい数日前、ふたりで近所を散歩している時に、僕たちは「猫に破かれた障子のある家」を発見したのだ!!
「あっ!!」
妻と僕は同時に叫んだ。
そうなのだ。障子を破く猫は「お菊」だけではないらしいのである。
その後、僕たちは近所の家々を注意深く観察しながら散歩を続けた。そして、そして・・・「猫に破かれた障子のある家」を次々と見つけたのだ!!
うーん。猫の新しい習性の発見である。
猫を飼ってる読者のみなさん。みなさんの家の猫は障子を破きませんか?もし、破くのなら、ぜひ、御一報下さい。理由を知っていたら、それも教えて下さい。
それにしても、猫っていったい・・・?
そんなわけで我が家では、本棚の障子の張り替えを日常的に続けております。にゃーお。






