53:直接フリーキックゲーム
Diaryにも書いたように、ここ一ヶ月ほどの僕は目も回るほどの忙しさである。一日のかなりの時間をワープロの前で過ごしている。そして、指先が痛くなるほどの激しさでキーボードを叩き続けている(そんなに強く叩く必要はないのですが・・・おかげで、キーボードの文字はみんなかすれています)。
主人である僕がこんなにも忙しくしているというのに・・・「お菊」のやつは、呆れるほどのんびりとしている。
「お菊」のやることといえば、餌を食うこと、排泄をすること、身体をなめること、窓の外を眺めること、そして、寝ることだけである。
だが、主人である僕がこんなに働いているのだから、少しは「お菊」にも協力してもらわなくてはならない。そうでなければ、猫を飼っている意味がない。
そんなわけで・・・「お菊」には僕の気晴らしの相手をしてもらうことにした。
考え出したのはサッカーの直接フリーキックゲームである。
ルールは簡単。
まず、横長の段ボール箱を用意する。そして、その箱を、開いた蓋をこちらに向けるようにして床に置く。
次に丸めた銀紙を用意する。それから、さっきの中に「お菊」を入れる(無理に入れなくても、たいていは自ら進んで入る)。
これで準備は完了。
あとは箱の中の「お菊」に向かって、3メートルほど離れたところから丸めた銀紙を投げ込むだけである。
行くぞ、「お菊」。
その時の僕は、ゴールを狙う中村俊介の気分である。
「お菊」は体勢を低くして、ゴールキーパーのように身構える。
ピュッ。
僕が箱の右の隅を目がけて、銀紙ボールを投げ入れる。
パシッ。
「お菊」はそれを前足で難なくはたき落とす。
畜生。フリーキック、失敗である。
僕は「お菊」がはたき落とした銀紙ボールを拾い上げ、再び、ゴールを狙う中村俊介になる。
「お菊」も再び、ゴールキーパーのように身構える。そんな時の「お菊」の目は、爛々と輝いている。
ピュッ。
今度は左の隅に向かって銀紙ボールを投げ入れる。
パシッ。
「お菊」は再び、前足で難なく叩き落とす。
畜生。また失敗だ。
僕はまたしても銀紙ボールを拾ってゴールを狙う。「お菊」もやはり、ゴールキーパーのように身構える。
そんなバカバカしいことを何度か続けるうちに、ついに僕は「お菊」のガードをかいくぐり、箱の右脇にゴールを決める。
「ゴーーーーーール!!」
僕が叫び、「お菊」が不思議そうに僕の顔を見る。
ゴールを決めた僕は、再び仕事をするためにワープロの前に戻る。
はい。それだけの話です。いつもくだらなくて、ごめんなさい。にゃーお。





