48:日の当たらない部屋
前にも何度か書いたように、我が家は最上階の角部屋にもかかわらず、日当たりが極端に悪い。
春分の日から秋分の日にかけてのあいだは、朝日と夕日が差し込むが、秋分の日から春分の日までのあいだは、直射日光がほとんど差さない。
妻と僕は極端な夜型人間なので、直射日光が差さないことなんてまったく気にしていない。
僕はただでさえ色黒なのに、そんなものが差し込んだら、真っ黒になってしまう。妻だって、家にいる時も日焼け止めを塗らなくてはならなくなる。床やカーテンや家具も日に焼けてしまう。
だから、わざわざあまり日の当たらない部屋に暮らしているのだ。
けれど、「お菊」は気の毒である。
毎朝(といっても、午前11時頃)、起きて来た僕がドアポストに差し込まれた朝刊を取りに行くたびに、ものすごい勢いで「お菊」が駆け寄って来る。そのドアの向こうに日が当たっていると知っているのだ。
光、光、光・・・。
光を求める「お菊」のために僕はドアをいっぱいに開けてやる。
晴れた日には、強い太陽光が玄関に差し込む。
すると「お菊」は即座にその場にごろりと横たわる。そして、全身で慈しむかのように太陽光を楽しむのである。
ああっ、「お菊」は日光浴がしたいんだ。
僕はしばらくのあいだ、光の中に横たわる「お菊」を見つめている。そして、「お菊」に対して、少し申しわけのない気持ちになる。
この北側の窓から望む「平塚八幡山公園」の眺めは絶景で、この部屋からは離れがたいのだが・・・「お菊」のために、日当たりのいい部屋に引っ越そうかな・・・。
そんなことを思う毎日である。
どうする、「お菊」? 日当たりのいいところに引っ越すかい?
とは言っても、そんなお金はないのですが。にゃーお。
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