38:猫鍋
読者のかたから、「猫鍋をご存知ですか?」というメールをいただいた。
僕は世事にうといから、知っているはずがない。
だが、想像はできた。
たぶんそれは、猫の肉を使った寄せ鍋みたいなものだろう。日本のどこかには猫を食べる風習があるのだろう、と。
けれど、そうではなかった。
もちろん、読者のみなさんはご存知ですよね?
そんなわけで、僕も猫鍋の写真を撮ることにした。
「お菊」は猫の典型である。土鍋を置いておけば、簡単に入るに違いない。僕はそう確信した。
で、ついさっき、土鍋を取り出して床に置いてみた。
「お菊」のやつは、僕が土鍋を置いた瞬間に興味津々で近づいてきた。
しめしめ。すぐに入るぞ。
僕は携帯電話のカメラを構えた。
だが、「お菊」は警戒心も強いので、土鍋のにおいを嗅いでいるばかりで、なかなか中に入ろうとしない。
僕はいらいらしたが、しんぼう強く待った。
やがて、「お菊」は土鍋のにおいを嗅ぎ終え、前足を入れた。
よし、入るぞっ!!
けれど、そこまでだった。
すぐに「お菊」は土鍋から出てしまったのだ。そしてその後は、もうまったく興味を示さなくなってしまったのだ。
うーん。ほかの猫は入っているというのに、どうして「お菊」は入らなかったんだろう?
考えられるのは、土鍋のサイズである。我が家はふたり家族なのに、なぜか土鍋だけは、とてつもなく大きいのである。「お菊」は狭いところが好きだから、土鍋がもっさと小さければ、鍋の中で丸くなって眠ったに違いない。
だが、猫鍋写真のためにわざわざ土鍋を買い替える気にはなれない。
そんなわけで、猫鍋の写真を撮るという僕の野望は簡単に打ち砕かれてしまいました。
猫鍋の話は、これだけです。すみません。
ところで、猫の肉って、どんな味なんでしょうね? もし、知っているかたがいたら、教えて下さい。
いるわけないか。にゃーお。





