18:相変わらず何もない
そうなのである。
相変わらず、「お菊」については書くことが何もないのである。
4月15日の「お菊」の2才の誕生日に、大好きな生クリームをちょっとなめさせてやったぐらいである。
あとは毎日毎日、同じことの繰り返しである。
「お菊」は一日の大半を寝て過ごし、ほかの時間はベランダを見張るか、身体をなめるかしている。彼女がするのは、それだけである。
繰り返し、繰り返し、繰り返し・・・。
それでも、僕は最近、何もない猫との暮らしも悪くないものだと思い始めている。
そう。何もないというのは、いいことだ。
きょうはとてもいい天気だ。風もなくて、暖かい。
窓の外では新緑が眩しいほどに輝いている。
僕はコーヒーカップを持ってベランダに出る。そして、窓辺で日光浴をしている「お菊」を眺めながら、ゆっくりと煙草をふかす。
コーヒーがおいしい。風が気持ちいい。
思い返せば、パグ犬のピーナッツは小さな頃から病弱だったから、13年間、身体の心配ばかりしていた。けれど、「お菊」が獣医に行くのは年に1度の予防接種だけである。
ピーナッツは怪我ばかりしていたが、「お菊」が血を流しているのを見たことは一度もない。
平凡で、ありきたり。
だけど、幸せ。
ああっ、何もないというのは、本当に素敵なことだ。
これからも、「お菊」との平凡な暮らしがずっと続けばいいな。いつまでも、いつまでも、続けばいいな。
こんなことを考える僕は、今ではすっかり「猫派人間」である。
「犬派」のみなさま。「犬派」から「猫派」へと、こんなにも簡単に転向してしまった僕を許してください。にゃーお。
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