08:ひ弱になる
去年の夏まで我が家の一員だったパグ犬のピーナッツは、僕たち夫婦が甘やかし放題で過保護に育てたせいで、ものすごく臆病でひ弱な犬だった。
カラスは怖い。ニワトリは怖い。ハトは怖い。あげくの果てには、スズメやゴキブリやダンゴムシまで怖がる始末だった。極端に甘えっ子で、環境の変化に弱くて、いつだったかペットホテルに預けた時なんて、36時間も飲まず食わず、おしっこもうんこも我慢し続けていた。
そんなピーナッツに比べると、「お菊」は強い猫だった。ベランダに鳥が来れば走って行って威嚇する。ハエどころか、ゴキブリも捕獲する。ひとりにされても寂しがらず、ペットホテルも獣医師のところでの1泊も平気。どんな時でも食欲旺盛な強い猫だった。
そう。かつて、「お菊」は強かった。
だが・・・最近の「お菊」は少し様子が変である。
たとえば、先日、妻と僕は「お菊」を同じマンションに暮らす義母に預けて10日あまりの旅に出た。昨年の12月にもそうしていて、その時は何の問題もなかったのだが、今回は妻と僕が義母の家を出たとたんに、「お菊」のやつはニャーニャーとマンション中に響き渡るほどの大声で鳴き出したのである。
さらに僕たちが留守中はずっと、義母の家の玄関で僕たちの帰りを待っていたというのである。前回の時はペットシッターの小山さんも「とてもいい子でしたよ」と言ってくれたのだが、今回はそれほどいい子ではなかったらしい。
それから、たとえば、数日前、「お菊」は玄関ででかいゴキブリを発見した。今までの「お菊」なら追い掛けまわして捕獲するところだが、今回は逆にゴキブリに追いかけられて逃げまわる始末である。
昨夜にいたっては、クモに追いかけられて逃げまわっていた。少し前まで、クモは「お菊」の最高の猟の獲物だったというのに・・・である。
どうしてこうなってしまったのだろう? 我が家のペットたちの宿命なのだろうか?
まあ、女の子は奥ゆかしくて、少しか弱いくらいのほうが可愛くていいのかな・・・




