05:猫化する
お菊さん第1回ギャラリーの人気投票にたくさんの応募ありがとうございました。第一次選考では「考え事」「寝起き」「暖を取る」の3つが同数でトップになりました。
そして、決選投票の結果、第1位に輝いた写真は「考え事」です。非常に沢山のご応募、誠にありがとうございました。
「考え事」に投票していただきました方全員に、大石圭サイン入り「履き忘れたもう片方の靴」を送らせていただきます。当選者にはメールにてご案内させていただきます。
映画「最後の晩餐」にまつわるトークショーや完成披露試写会、初日舞台挨拶、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005」の舞台挨拶などで、最近、人前に出る機会が多かった。
そういう会場にはいつも、大勢の読者の方が詰め掛けていただいて、ありがたくて涙が出そうになった。
会場にいらしてくれた読者の方々から、思い掛けないほどたくさんのプレゼントをいただいた。ひとりでは抱えきれないほどの花束、チョコレート、コーヒー、お酒、珍しいお菓子・・・そして、その中に、猫用オモチャの数々があったのである。
読者からいただいた猫用オモチャ・・・それらは本当に可愛らしくて、カラフルで、楽しそうなものばかりだった。
だが、実は僕は心の中で、「せっかくいただいたのに、これは無駄になっちゃうんだろうな」とも思っていた。「お菊」はそういう市販の猫用オモチャにまったく興味を示さない猫だったからだ。
「お菊」がやって来たばかりの頃は、僕もたくさんの猫用オモチャを買い与えた。ふわふわの猫じゃらしや、リアルな形をしたネズミのオモチャ、中に鈴が入ったボール、ヒモの付いた金魚、ネズミや小鳥の形のぬいぐるみ・・・シックな我が家には似合わないものばかりだったが、「お菊」が喜ぶのならと思って、手当りしだいに買ったのである。
けれど、「お菊」のやつは、御主人様がせっかく買って来てやったオモチャ類に見向きもしなかったのである。
これは僕たち夫婦が、「お菊」を犬として育てていることにも一因があるのかもしれない。
僕たちはピーナッツにしていたと同じように、「お菊」を散歩に連れて行き(ずっと抱っこだが)、「お手」や「お座り」を教え(覚えない)、犬用チーズを食べさせ、単独ではなく群れで行動するようにしむけていたのだ。その甲斐あってか、「お菊」は毛玉を吐くこともなく、猫草に興味を示すこともなく、やたらと爪とぎをすることもなく、高い場所に上がりたがることもなく、犬のように育ちつつあったのだ。しめしめ。
「お菊」は猫ではなく、犬になりそうだぞ。近いうちに、ヒモを付けて公園に散歩に行けるかもしれないぞ。
犬派の僕は、実は心の中でほくそ笑んでいた。
そんなわけで、読者からいただいた猫用オモチャもこれまでのオモチャと同じように、ただ飾っておくだけになるのだろうと思っていた。
ところが・・・そうではなかったのである。
試しに読者からいただいたオモチャを与えてみると、「お菊」は無我夢中になってしまったのである。両手でもちあげたり、口にくわえたり、追い掛けたり、ぶら下がったり、じゃれついたり・・・朝から晩まで、いや、深夜まで、僕と遊ぶ事さえ忘れて猫用オモチャで遊び続けるのである。その姿は、猫そのものであった。
ああっ、「お菊」・・・お前は猫になっていくのか!! まもなく完全に猫になってしまうのか!!
うーむ。DNAとは恐ろしいものである。
僕にはただ、「お菊」が1日ごとに猫になっていくのを見守ることしかできないのである。
僕がこうしてパソコンに向かっている今も、「お菊」は鈴の音をけたたましく立てながら、猫用オモチャで狂ったように遊んでいる。
最後になりましたが、たくさんのオモチャをくださった鏡味さん、ありがとうございました。どれも可愛くて、「お菊」なんかに遊ばせるのがもったいないくらいです。






