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人間ドック検診の結果が出た。
結論から言うと、僕は「やや所見あり」、妻は「異常なし」である。
今回の検診では、僕の血液や尿の数値は驚くほどに改善していた。
もう、お酒を控える必要もないし(控えたことはありませんが)、食べ物を気にすることもないらしい(食べ物を気にしたこともありません)。
改善した理由はよくわからないのだが、これで成人病予備軍から脱退である。
だが、ひとつだけ気になることがあった。
CTの画像を見ると、右の肺に小さな影が映っていたのである。
この影は実は2004年の最初の人間ドックの時から存在するもので、「かつての肺炎の跡でしょうね」というのがこれまでの主治医の見解だった。これと同じ影は、左の肺にもあるので、今までは気にしたことはなかった。
だが、今回のCTでは、この右肺の白い影が、4.8ミリから5.4ミリに大きくなっていたのだ。
いや、僕が受けているCTは10ミリごとの身体の断面図なので、実はこの影が本当に大きくなっているのかどうかはわからない。主治医は「たぶん、スライス面がズレただけでしょう」と言っていた。
つまり、もし、その影が球体なら、スライスした面によって大きさが異なるわけだ。極端な話、10ミリスライスだと、10ミリ以下の影は映らない可能性もある。
それでも、「再検査をしてみましょう」ということになった。
もしかしたら、肺がん?
実は3年前に、たった60歳だった叔父が肺がんで死んだ。ダンスが趣味で、痩せて背が高く、健康そのものみたいに見えたのに、がんが見つかって1ヵ月ほどで死んでしまったのである。
僕はそのことを思い出した。そして、主治医が「半年後でいいですよ」と言うのを、3ヵ月後にしてもらった。
いつ死んでもいい……みたいなことを、よく書いているくせに、やはり死ぬのが怖いのである。
人間ドックの結果が出た晩は、いつもシャンパンを開けて妻と乾杯している。だから、今年もそうしたのだが、「肺がん」という単語が頭の片隅でチラチラとしていて、高価なシャンパンもその晩はいつもほどには美味しく感じられなかった。
僕は仕事に飽きると(すぐに飽きます)、庭に出て煙草を吸うのが習慣なのだが、あれからは何となく、その煙草も美味しくない。そして、仕事に飽きると、煙草を吸う代わりに、インターネットで「肺がんの原因」とか「肺がんの治療法」とか「肺がんの予後」とか、そんな検索をするようにもなった。
僕の読者にはお医者さんや看護師さんもいて、そのひとり、有名な糖尿病専門医にそれとなく相談してみた。彼も僕と同じような喫煙者である。
その人が言うには、「10ミリスライスで、径4.8ミリと、5.4ミリって、スライスの場所のズレですよ」とのことだった。
その言葉に僕は胸を撫で下ろした。そして、それからは、煙草も美味しく吸えるようになった。
本を読んでもらえるだけで幸せなのに、そんなことまで言ってくれて、感謝感謝である。
それでも……やっぱり、少し怖いから、1月の末にはまた、胸部のCT検査を予約した。僕のエージェントの社長は「そんなにCT検査ばかりしてると、かえって被爆してがんになりますよ」と笑ったが、やはり放ってはおけないのである。
いやーっ。僕って、本当に小心者ですね。自分でも呆れました。
追伸:ホームページの最初のところにも書いたように、11月29日から12月10日まで留守にします。ええっと……今回はハワイで「プールとビールが肉体に与える快楽についての本格的な取材」です(笑)。東南アジアの島々にはしばしば出かけるのですが、ハワイに行くのは初めてです。ハワイって、そんなにいいところなんでしょうか? 美味しいものがあるのかなあ?
期待と不安が入り交じります。

