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『檻の中の少女』の発売に合わせ、角川書店が「大石圭ホラーフェア」をやってくれることになり、フェアの一環として50名の読者にオリジナルグッズをプレゼントすることになった。
「で、そのオリジナルグッズなんですけど、大石さん、何か面白いアイディアありませんか?」
少し前、角川書店の担当の時岡さん(アルカイダのビンラディンによく似た元バッグパッカーです)に、そう相談された。
「さて?」
僕は首を傾げた。何も思いつかないのである。
「それじゃあ、たとえば、大石さんは何がもらえたら嬉しいですか?」
時岡さんはなおもきいた。
「どんなものでもいいんですか?」
「どんなものでもって言われても・・・でも、まあ、言ってみてください」
「そうですね。ええっと・・・僕がもらって嬉しいのは・・・フランク・ミューラーの腕時計とか・・・新型のスカイラインGT-Rとか・・・バリ島の超高級リゾートホテルのスィートルームの10連泊券とか・・・横浜みなとみらいの高層マンションの最上階の部屋とか・・・」
試しに僕はそう言ってみた。
「そんなものプレゼントできるわけがないでしょう?」
時岡さんは呆れ顔である。
当然のことだ。そんなものを50人分もプレゼントしたら、角川書店は倒産に追い込まれてしまう。
うーん。でも、それほど高価ではなく、なおかつ、当選したら嬉しいものなんて、この世の中にあるのだろうか? 欲しいものであり、それが手の届く値段のものなら、みんな自分でお金を出して買うのではないか?
いったい何がいいんだろう?
いろいろと考えてはみたが、まったく思いつかない。
しかたなく妻に相談した。
すると妻は簡単に答えた。
「あなたのオリジナルコーヒーにしたら?」
それは、なかなかいいアイディアに思えた。
10代の頃から僕はコーヒーが大好きで、ほぼ毎日、6杯も7杯も飲んでいる。1日に10杯以上飲むことも少なくない。味覚はあまり敏感ではないのだが、コーヒーにだけはうるさくて、専門店で好みの味にブレンドしてもらったりもしている。
読者のかたからも、「大石さんの本を読んでいるとコーヒーを飲みたくなる」というメールをいただいたことがある。
だとしたら、オリジナルブレンドのコーヒーはいいかもしれない。
時岡さんに相談したら、「それはいいですね」ということになった。
そんなわけで、賞品はオリジナルブレンドコーヒーに決定しました。1月31日に実際に僕が神田の珈琲専門店でブレンドしてきました。非常に酸味の強い独特のコーヒーになりました。とてもおいしいです。
たった50人にしかプレゼントできないのは残念ですが、たくさんのみなさまのご応募をお待ちしています。
ちなみに特別賞は僕が長年にわたって愛用して来た、「ニコンF」。1950年代の後半に作られたという古いカメラです。ベストセラー小説「マディソン郡の橋」で主人公のカメラマンが使っているのと同じ機種です。
僕が世界のあちこちに持ち歩いたのでぼろぼろですが、これまでにそのカメラで何千枚もの写真を撮りました。当たったかたは大切にして下さいね。

