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13回のスタントシーン
映画「1303号室」のロケを見学するために、クランクインの当日に静岡県の浜名湖まで行って来た。
僕が映画撮影の現場に顔を出すのは、実はこれが初めてである。
「呪怨」の時も「最後の晩餐」の時も「輪廻」の時も、ロケには行かなかった。「よかったら、どうぞ」と誘われたのだが、行かなかった。
撮影の現場になんか興味がなかった・・・というわけではない。それどころか、僕は映画の撮影現場に興味津々だったのである。
けれど、僕のような素人が現場にいると、忙しく働いている撮影スタッフの邪魔になるに決まっている。それに、僕が顔を出すと、現場の誰かが余計な気を使わなくてはならなくなる。
そんなわけで、今まではロケ現場に行ったことはなかった。
だが、今回はハリウッドからわざわざ外国人プロデューサーたちも来るというので、その挨拶も兼ねて行くことにした。
映画「1303号室」の最初のロケ現場は、浜名湖畔にある13階建ての真っ白なリゾートホテルである。
初めての撮影現場。
まず、驚いたのは、本当に短いシーンを撮影するのに、驚くほど時間がかかるということだ。主人公の「真利子」と「少女」がエレベーターのボタンを押す数秒のシーンの撮影だけで、何時間もの時間を費やしていた。
僕なんか「これでいいのに・・・」と思うのに、監督は決して妥協を許さなかった。映画の撮影現場というのは、素人である僕には珍しくて、わくわくすることの連続だった。
「真利子」役の美しい女優さんが、素敵な笑顔で僕に話し掛けてくれる。
ホテルの脇に巨大なクレーンが設置され、そこからの細いロープだけを命綱にしてスタントマンの女性が13階のベランダから宙づりになる。
撮影を終えた俳優さん(マンションの管理人役)が、映画にまつわる素敵な話をいろいろと聞かせてくれる。
ラストシーンを巡って、監督と外国人プロデューサーが僕のすぐ脇で唾を飛ばしてやり合っている。
クランクインを祝って、特別な幕の内弁当が配られる(赤飯!!)。
1302室に暮らす美少女を演じる女の子が、無邪気にお菓子を食べている(小説のイメージにぴったりの女の子です)。
ああっ、来てよかった。
つくづく感じた。
それにしても、映画の撮影というのは、なんて時間と手間とお金がかかるものなのだろう!!
スタッフもキャストも、なんて大変な苦労をしているんだろう!!
真夏の現場はとても暑くて、スタッフもキャストもみんな汗まみれだった。監督の話によると、撮影はこれから連日、早朝から深夜まで続けられるのだという。
自宅のベランダで僕が煙草をふかしながら妄想していたストーリーが、こんなにも多くの人々を(スタッフだけで50人を超える人たちが働いていた)動かしていると思うと、とても不思議だったし、同時に、とてもありがたい気がした。
どうか、素敵な映画ができますように。
そして、多くの観客が映画「1303号室」を見に映画館に足を運んでくれますように。
神を信じたことのない僕ではあるが、今回は心からそう願ってしまった。

