21
生まれて初めて携帯電話を買った。
えっ? 今ごろ?
そうなのである。
なぜ?
ご存知のように、僕はほとんど家から出ない。だから必要がなかったというのも理由のひとつである。
だが、本当の理由は、縛られるのが嫌だからである。
24時間、どこにいても、電話で呼び出されるのは、見えない糸で拘束されているようで嫌だったのだ。
けれど、今ではほとんどの人が名刺に携帯電話の番号を書いている。僕もよく、「失礼ですが、大石さん、よかったら携帯の番号を教えていただけますか?」と言われる。
「持ってないんですよ」
これは本当なのだが、ほとんどの人はひどく驚く。明らかに疑っている人もいるようだ。
携帯の番号も教えないなんて、大石ってお高くとまっている・・・みんな、そう思っているのではないか?
それが嫌で、ついに携帯を入手したのである。
さて、この携帯、写真の画像が思ったよりも綺麗だ。僕の持っているデジタルカメラに負けないほど綺麗に撮れる。それでデジタルカメラよりもずっと手軽だ。
それが嬉しくて、執筆の手を休めては携帯で写真ばかり撮っている。
だが、電話として使ったことはほとんどない。番号はまだエージェントにしか教えていないので、電話が鳴ることもまったくない。当然のことながら、考え抜いた末に設定した着信音のメロディも1度も聞いたことがない。
猫に小判。ブタに真珠。
それは僕の携帯電話のことである。もったいないなあ。
Diary:70〜79
Diary:60〜69
Diary:50〜59
Diary:40〜49
Diary:30〜39
Diary:20〜29
Diary:10〜19
Diary:1〜9

